ブラジルはちょうど地球の裏側だ。サッカー…


 ブラジルはちょうど地球の裏側だ。サッカー・ワールドカップ(W杯)の日本-コートジボワール戦開始は14日午後10時で、日本時間では15日午前10時。日曜日の朝、多くの人が自宅のテレビ、あるいは全国各地の特設会場のスクリーンの前で釘付け状態だったろう。

 前半16分、長友佑都選手の左サイドからのパスに、本田圭佑選手が得意の左足を振り抜き突き刺さるようなシュートで先制点を挙げた。守備陣も吉田麻也選手や内田篤人選手が素早いカバーリングで、相手攻撃をゴール近くで阻止、攻撃と守備で見せ場をつくった。

 ところが後半19分と21分、日本の足が止まった隙に、右サイドからのクロスボールを立て続けに決められ逆転される。試合場から悲鳴が聞こえた。日本はその後、思うような連係ができずタイムアップ、ため息が……。

 選手たちは試合前、口々に「互いに信頼して戦う」と話していた。それは大切なことだが今回、試合の雰囲気や攻撃の流れをつくるチームリーダーの不在感が顕著だった。逆にコートジボワールの積極性、力強さが目に付いた。

 先発メンバーのほとんどは海外で活躍する選手だが、試合後は疲れ切った様子。あまりに大きい勝利への期待がプレッシャーとなったのだろうか。

 W杯は国対抗、国威発揚の面もあるが、それ以上に世界の人々を一つにするものだと言える。サッカーが持つ力だろう。気持ちを入れ替えギリシャ戦、頑張れ!