父の日(15日)を前に。家庭内でのお父さん…


 父の日(15日)を前に。家庭内でのお父さんの立場がお母さんのそれに比べて影が薄いことは、今に始まったことではない。それをよく詠っているのが第一生命保険の毎年恒例の「サラリーマン川柳」である。

 入選作品100句の中にはお父さんの切ないつぶやき、悲哀、アイロニーを世相や流行語に反映させてユーモラスに描いた作品も少なくない。今年(第27回)は「妻不機嫌 お米と味噌汁 『お・か・ず・な・し』」(雅号・不幸な男)と「帰宅して うがい手洗い 皿洗い」(しゅうくりーむ)がベスト10に。

 これまでの入選作にも「断捨離で オレのものだけ 姿消す」(健康法師=第24回)、「力関係 躾けてないのに 分かる犬」(犬一番=第20回)など思わずうなるリアリティーにあふれる句も。

 大手予備校「代々木ゼミナール」が大学1年生300人に行ったインターネット調査では「感謝したいと思う人」は女子、男子学生とも1位が「母親」、2位が「高校の先生」。3位は男子学生が「父親」(49・3%)、女子学生は「友達」(49・0%)だった(時事通信・平成22年3月8日配信)。

 息子の感謝でようやく面目を施した形のお父さん。先の川柳にはお父さんの影の薄さが滲む句ばかりではない。

 「妻子から 絵文字が並ぶ ボーナス日」(孫悟空=第21回)や「ほっとする 家の灯りと 妻の顔」(のび太=第15回)もある。お父さんにも感謝を。