東日本大震災「祈りの日」式典で下村博文…


 東日本大震災「祈りの日」式典で下村博文文部科学相が「祈念の日制定を検討したい」と話した。復興事業が急がれるが、並行して震災の教訓を共有し深化させ、広く世界に伝えていく決意を新たにする「祈りの日」が必要だ。

 当日の式典では、震災で大きな被害が出た宮城県女川町への女川復興支援ネットワークの支援活動が紹介され、中国の有名な作曲家、陳越氏が作詞作曲した「大地の祈り」に合わせた振り付けで舞踊家の藤間浩菊さんが舞った。

 震災当日、女川町の工場で働いていた中国・大連からの女子研修生20人を避難させ全員の命を救った1人の会社重役。だが、自身は津波に呑まれ無念の死を遂げた。このエピソードが中国全土に伝わり大きな感動の渦を巻き起こし、それを受けて陳氏が創作したのがこの曲だ。

 鈴木靜雄・女川復興支援ネットワーク会長を通じ女川町に贈られ、その後日本各地、11日には東京芸術劇場でオーケストラ演奏された。この間、北京の日本大使館で藤間さんが同曲に合わせ日本舞踊を陳氏らに披露した。

 鈴木氏は「長い道のりを被災地の方々と思いを一つにしていきたい。流される前の町のように、住民や子供たちの元気な笑いに満ちた風景が早く取り戻せるよう祈ります」と。

 勇気ある一人の日本人の犠牲によって始まった芸術交流活動。冷え切った日中関係の改善につながるよう共感の輪を広げていきたい。