観光立国の一つに中東のトルコがある。…


 観光立国の一つに中東のトルコがある。東京ではトルコ航空などが協賛して毎月1回「トルコの朝ごはん」と題したイベントが行われ、同国の文化が紹介されている。先日、西新宿のトルコ文化センターで開かれたこの“朝食会”にメディア関係者ら70人が参加した。

 そこでまず驚いたのは出された約90種類もの料理。トルコは黒海と地中海に挟まれ、海産物の豊富さで知られるが、この日はポテトサラダやキノコのソテー、ニンジンのサラダやインゲンの煮物、肉料理や豆料理など、多彩な味覚を堪能した。

 日本でも屋台でお馴染みになったのが、鉄棒に巻きつけ焼き上がった肉を豪快に切り取ったケバブ料理。ただし、朝食と銘打ったこの日のイベントでは出番なしだった。

 トルコ人は客とおしゃべりをしながら紅茶「チャイ」を何杯も飲み、客にも勧める。その人当たりの良さ、ホスピタリティーの自然さは、日本人の伝統的な接客を想起させる。

 出席したトルコ人男性から「トルコ人は家族で食卓につくと、にぎやかにおしゃべりしながら朝ごはんを食べます」と聞いた。家族が揃(そろ)った食卓の在り方は見習いたいところだ。

 わが国とトルコは文化交流だけでなく、経済、産業面でパートナーシップ関係を広げ、インフラ建設などで技術協力を進めている。今国会ではトルコへの原発輸出を可能にする原子力協定承認案を審議する予定だが、ぜひ輸出を実現したい。