対照的だった日米企業


地球だより

 先日、文在寅大統領が就任後初めて韓国駐在の外国人企業家たちと懇談した際に米国のある古株企業家がこんな話をしていた。「1年くらい前までは米国の親戚や友人から、いつ戦争が起きるか分からないので早く帰っておいでと言われたが、大統領のおかげで今はそんな話を聞かずに済むようになった。本当にありがたい」

 どうやらこの企業家は、文大統領が仲介役を果たした二度の米朝首脳会談で一触即発ムードだった朝鮮半島の危機が回避されたと言いたかったようだが、文政権とその支持者たちを除けば誰の目にも北朝鮮が非核化する気がないことは明らかだ。

 当面のリスク低下に胸を撫(な)で下ろしたとも受け止められるが、ここはやはり権力の一極集中がスゴイ韓国で仕事をするには不可欠(?)な文大統領への「よいしょ」だったのかな、と思えてならない。

 反対に文大統領に不満をぶつけていたのが日系企業だ。元徴用工関連の訴訟でこのところ相次ぐ日系企業に対する賠償命令と資産差し押さえの動きには神経を尖(とが)らせざるを得ない。

 日本側は「適切な措置が取られると信じている」(森山朋之・韓国三井物産社長)が、文大統領の返答は「経済的交流は政治と分けて見なければならない」。現在の日韓関係悪化はご自分が良しとする「政治」をそこに持ち込んでいることに起因しているという日本側の認識は、残念なことに一顧だにされなかったようだ。

(U)