コーヒーブレイクの文化


地球だより

 フィンランド人の1人当たりのコーヒー消費率は、世界トップレベルだ。1人当たり年間12キロのコーヒーを消費するといわれている。フィンランドでは、仕事の合間にある15分間ほどの休憩時間を「コーヒーブレイク」と呼んでおり、労働者の権利として認められている。

 なぜコーヒーかといえば、「サウナ」と同様、コーヒーを飲む時間は人と話せるいい交流機会なのだ。つまり、あまり社交的でないフィンランド人にとってコーヒーを飲むひとときに、お互いに仕事以外の話が弾むのだという。そのせいか、会議の時にも必ずコーヒーは準備されている。

 また、フィンランド人の家を訪問すれば、必ずコーヒーを入れてくれ、同時に菓子パン(プッラ)、クッキー、あるいはケーキが出る。妻の親戚を1日に4件ほど訪ねたことがあるが、すべての家でコーヒーとプッラやケーキが出た。出されたものを断っては申し訳ないと思い、すべての家で飲食し、お腹が痛くなった思い出がある。

 コーヒーの味だが、好まれているのは酸味のある浅煎りで、ちょっとビターだ。記者としてはそれほど飲みたいとは思わないが、人との交流の手段と考えて飲むようにしている。しかし、最近はさまざまな種類のコーヒーが店で売られるようになり、美味(おい)しいと思えるコーヒーとの出会いを楽しみにしているこの頃だ。

(Y)