驚きのインスタントラーメン


地球だより

 今や、世界共通の食べ物となったインスタントラーメン。ただし、食べ方は世界各地で千差万別で、中には日本人の常識を覆す食べ方もある。韓国式の「鍋のまま食べる」とかはまだ日本に近い方で、ブラジル式のラーメン作法は、ラーメン愛好家の記者としては我が目を疑うほどのものだった。

 ブラジルに来て間もない頃だ。知人宅を訪問してしばらくした頃、「おなかがすいたのでラーメンを食べよう」という話になった。キッチンの引き出しから取り出したのは日本の有名食品メーカーのもの。誰が作ろうと大差はないだろうと思ったのが間違いだった。

 小鍋にお湯を沸かして袋を開ける、ここまでは日本と同じだ。ところが、知人は袋からラーメンを取り出すとバキバキと割りながら鍋に放り込んだ。「この方が食べやすいだろ」と。

 驚いたのもつかの間、麺が茹(ゆ)で上がるとお湯を捨て始めた。この時点でショック状態なのだが、知人はお構いなしに残った麺を平らな皿に盛り始めた。そうして、麺の上に粉末スープを掛けて混ぜ始めた。

 知人いわく、茹でる時に卵や野菜を一緒に入れて茹でた後、お湯を切ってから皿に盛ると、より本格的になるのだとか。人によってはクリームチーズやトマト、パクチーなどを一緒に和えるのもレシピの一つだという。

 まさに「所変われば…」なのだが、ラーメンひとつ取ってもドラマチックに変わるものだ。

(S)