フィルムカメラが新しい?


地球だより

 スマートフォンで気軽に写真が撮れるようになり、特別な操作なしに高度な機能が使えたりすることから、フィルムカメラは完全に廃れた感もあった。ところが今、フランスではフィルムカメラが「新しい」とブームになっている。

 20代の世代は、デジタルカメラしか知らず、カメラにフィルムを装填して撮るカメラは新鮮に映るようだ。パリのシャンゼリゼ通りには、200平方メートルの広さのフィルム写真専門のプリントショップがあり、盛況を呈している。

 芸術大好きのフランスでは、写真といえば、かつてはモノクロが主流で、凝った構図や自室で現像するマニアも少なくなかった。

 デジカメは構えた瞬間に、ある程度きれいに撮れるし、フィルム代や現像費を気にせずに、よく考えずにシャッターボタンを押してしまうことが多い。ところがフィルムカメラのフランスの愛好者たちは、口をそろえて、シャッターを切るまでの時間がいいと言う。

 被写体に向かって、じっくり構図を決め、どこに焦点を合わせるかを決め、シャッターチャンスを待つ時間がフィルムカメラの楽しみの一つだ。1枚1枚フィルムも手で巻き上げる。結果的にデジカメとは、まったく違った質の写真が撮れると評判になっている。

 それにモノクロフィルムは、自宅での現像も難しくない。まさに世界に1枚だけのオリジナルプリントができ、芸術作品にもなり得る。そんな写真をソーシャルネットワーク(SNS)に上げて、多くの人たちに見てもらうことも流行している。

(M)