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法外なタクシー料金


地球だより

 どこの国にも、いい人と悪い人がいるものだが、エジプト人の中にもいいエジプト人と悪いエジプト人がいる。先日、エジプト・シナイ半島最南端のリゾート地シャルムエルシェイクに取材に出掛けたが、空港からホテルまでのタクシー代は何と250ポンド(約1600円)と、現地の相場感覚からすると欧米諸国並みかそれ以上の高さである。

 外国人旅行客が多い観光地のためか、それほどの距離でもないのに、高額を要求するのは、現地のタクシー業界が結託して値段を吊(つ)り上げているからとみられている。

 帰りには、個別にタクシーと交渉したところホテルから空港まで100ポンド(約630円)だった。シャルムの住人が利用するマイクロバスは3・5ポンド(約22円)から5ポンド(約32円)だから、いかにタクシー料金が法外かが分かる。

 エジプトのマイクロバスでのお金の徴収の仕方は、車掌がいないので、乗客がお互い助け合って運転手まで手渡しする。料金やお釣りの受け渡しが他の乗客を通して行われるのだ。その協力体制に感動させられる面もあるのだが、シャルムの場合は、運転手がお金に余計固執しているせいか、お釣りが返ってこない場合が多かった。

 心洗われたのはカイロで、3・5ポンドのところ5ポンドを隣の若い男性に渡したところ、運転手から来たお釣りのうち2ポンドを私に渡してくれたことだ。降車の際、1ポンドを返そうとしたら、彼は笑顔を浮かべながら受け取らなかった。わずか0・5ポンドでも、人の真心は、感動を呼び起こすものである。

(S)