効果見えぬエコカー奨励金


地球だより

 燃料価格高騰への不満から抗議運動も起きているフランスで、政府はエコカーへの乗り換え推進している。ところが、消費者の間ではいまだにディーゼル神話が強く、ハイブリッドや電気自動車(EV車)の普及率が伸び悩んでいる。

 政府が打ち出したのは、いきなりEV車への乗り換えというわけではなく、ガソリン車、ディーゼル車から最新の省エネ基準を満たした車に買い換える場合、1台につき4000ユーロ(約51万2000円)を購入奨励金として拠出するもの。

 この買い換え奨励金には条件があり、低所得世帯で1日60キロ以上、車を使う人が対象とされるが、買い換えを躊躇(ちゅうちょ)する人は多い。それよりガソリン税減税の方が助かるという意見が多く、エコカー普及には繋がりそうにない。

 実はフランスでは中古車が日本以上に高額で売り買いされている。特にディーゼル車はエンジンの耐久性が高く、マニュアルギア(MT車)ほど長持ちするという理由で、ディーゼルMT車は人気がある。

 温室効果ガス削減のパリ協定の議長国として見本を示す立場にある政府は、EV車普及のために2040年までにガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止する方針だ。

 ところが、昨年の新車販売で約95%がガソリン、ディーゼル車であり、ハイブリッド車は3%余り、EV車に至っては1・2%程度に留(とど)まっている。エコカーが市民権を得るのは時間がかかりそうだ。

(A)