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「世界一住みやすい」ウィーン


 「ウィーンは世界で最も住みやすい都市」。英誌エコノミストの調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」が毎年発表している「世界で最も住みやすい都市ランキング」で、オーストリアの首都ウィーンが「2018年版第1位」の名誉を獲得した。前年まで7年連続首位だったオーストラリアのメルボルンを抜いた。もちろん、ウィーンにとって初の快挙だ。

 調査担当編集長は「ウィーンが首位を獲得したのは、治安の改善」を反映した結果という。

 今年上半期の犯罪認知件数は8万2573件で前年同期比でマイナス14・7%と記録的な減少だ。暴力犯罪件数は7958件から7062件と11%減少した。犯罪統計を見る限りでは、「治安は改善した」という評価は当たっている。

 「世界で最も住みやすい都市」ウィーンを体験しようと観光客がさらに増え、市の観光収入は飛躍的に増加するかもしれない。観光客が増えれば、ウィーンはますます騒々しくなることは間違いない。エコノミスト誌の「世界で最も住みやすい都市」のタイトルはその都市に住む市民にとって本当に「住みやすい都市」であるかは別問題だ。

 フランスの作家、ロマン・ロラン(1866~1944年)は「ベートーヴェンの生涯」の中で、「ウィーンは軽佻(けいちょう)な街だ」と書いていた。その評価は100年以上前のものだが、当方は不思議と「そうだよな」といった共感を覚えてしまうのだ。長く住んでいてもウィーンは当方にとってやはり異郷の町なのかもしれない。

(O)