世界日報 Web版

女性に厳しいラマダン


地球だより

 エジプトでは5月17日にラマダン(断食月)期間に入った。6月15日に終了、その後の3日間、ラマダン明けの祭りがあり、通常生活に戻ることになる。

 ラマダンのイスラム教徒にとっての最大の利点は、信仰の原点に立ち帰り、信仰生活の再出発をなすことにあるのだろう。水や食物を創造してくれた神に感謝し、生かされていることを悟り、謙虚になり、人間の原点を見詰め直して再出発することになるからだ。夏の暑い日に水一滴も飲まず一日を過ごすことは簡単ではないが、老若男女が黙々と励む姿に敬意を表せざるを得ない気持ちになる。飢えた人々がいかにつらい毎日を生きているかを自ら体験して貧しい人々への献金や奉仕の必要性を痛感することも大事なこととされる。

 はたから見ていて気の毒に思うこともある。主婦ならまだしも、仕事を持つ女性はこの期間はとても大変だ。出社後、日没から始まるラマダン明けの食事の準備のため、会社を早退し、家族のためにいつもより質が高く、量も多い料理を準備する。早朝3時ごろには起きて、日の出前の食事の準備をする。食後、就寝するが、太陽が出ていて眠れず、短時間の仮眠の後、会社に出社するのだから大変だ。

 男性はまだ食事の準備や食後の後片付けをしない分、楽で、料理とテレビ番組を楽しみ、就寝時間も取ろうと思えば十分取れるが、仕事持ちの女性は大変だ。

 アラブ・イスラム世界ではまだ、男尊女卑的思考が幅を利かせていることから、なおさら大変である。

(S)