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現代の両班は働き過ぎ?


地球だより

 今から二十数年前、初めて韓国を訪れた際、大の男たちが真昼間からブラブラしている姿をあちこちで見掛け、驚いたのを覚えている。最初は悠々自適に生活を楽しんだ朝鮮王朝時代の両班を気取っているのかなと思ったりしたが、働かない亭主への不満を口に出さず、代わりに生計に責任をもたざるを得なくなった女房が孤軍奮闘していた、というのが実態だった。

 だが、今はもうそんな働き方をする世帯はめっきり減ったようだ。会社や役所ではクソ真面目と言えるほど働く人が増え、若い世代は基本、共働きだ。出退勤時間になればソウルの地下鉄各線は大混雑し、主要道路も決まって車が渋滞する。従来の「パッリパッリ(速く速くの意)」癖も影響を及ぼしただろうが、韓国が短期間で経済発展を成し遂げたのは間違いなく働かない文化が影を潜め、働く文化が浸透したおかげだ。

 半面、最近は働き過ぎが社会問題化している。マイホーム志向や法外な子供の課外教育費などで家計への負担が重くのしかかり、人生を楽しむより稼ぐことが第一という風潮も広がっている。結果、残業時間が多くても我慢してしまい、それが鬱(うつ)病や過労死、自殺につながるケースが増えた。

 一足先に同じ問題を抱えた日本では働き方改革が急がれているが、後を追うように韓国でも仕事に追われる両班たちの働き方に警鐘が鳴らされている。

(U)