春の収穫祭


地球だより

 イスラエルでは5月20日(ユダヤ暦シバンの月6日)、ユダヤ教の三大祭りの一つである「シャブオット」を祝った。ペサハ(過越の祭り)から7週間後、つまり50日目に行われ、7週の祭りとも言われている。

 旧約聖書の出エジプト記によれば、畑から得た小麦の初穂を刈り入れる、「刈り入れ(ハカツィール)の祭り」であり、収穫を祝い、神に感謝を捧(ささ)げる日である。また、この日はモーセがシナイ山で神から十戒を与えられた記念の日であるとも言われている。

 この日は、ダビデ王の誕生日、命日とされており、ダビデはルツの曾孫(ひまご)であることから、シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)では旧約聖書のルツ記が朗読される。

 キリスト教では、ペンテコステ(ギリシャ語で50日の意)と呼ばれ、聖霊降臨日としてお祝いされている。

 ユダヤ人たちは、この日の食事で乳製品をたくさん食べる。キッシュやチーズケーキなどは定番メニューである。ヴィーガン(完全菜食主義者)も増えているので、豆乳やアーモンドミルクなどで代用したりする場合もある。わが家の娘たちは、友達からお祝いの食事に招待され、それぞれ出掛けて行った。

 神殿があった昔、ユダヤ人は初物を籠に入れて、笛を吹き、喜び踊りながら神殿に携えて行ったという。その名残か、地域によっては子供や若い娘たちが花冠を着けて白い衣装をまとい、収穫のバスケットを抱えて行進したり、踊ったりする。

(M)