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動物が身近にいる首都


地球だより

 ケニアの首都ナイロビは日本人の想像以上に動物がわれわれの日常に現れる。朝は小鳥たちの鳴き声に目を覚ます。少しデスクを開けた隙に机の上のスナックを食べにやって来るサル。先日は空港へ知人を出迎えに行く途中でシマウマが中央分離帯を闊歩(かっぽ)していた。

 実際、ケニアへイギリス人が入植してきた時には何もなかったというナイロビ。今では東アフリカ最大の都市として経済、政治の中心地として機能している。

 そもそもナイロビは日本でも有名なマサイ族が長らく住んできた土地で、彼らの言葉がその名前の起源にとなっているという。マサイ族はライオンと闘うというエピソードから気性が荒いようなイメージを抱かせるが、実はかねてより遊牧を生業とする穏やかな一面を併せ持つ。

 ナイロビ市内では彼らに連れられた牛の群れ、ヤギの群れが、しばしば車道に現れる。ドライバーたちも慣れっこだから、牛たちがのろのろ歩いて過ぎ去るのを待つ。日本では、かなりの田舎に行ったとしても、もはや見られない光景だろう。

 発展途上にあるアフリカの雄が、いつしか先進国の仲間入りをする日は来るのだろうか? その是非はともかく、観光資源を一つの主要産業とするケニアだけに、今後も都市化の流れの中で自然との共生を祈りたい。