巷に出回る仮想通貨


地球だより

 ロシア国内から見てもロシア経済の底力も、そろそろ限界に近づいているのではないかと感じる。7日のプーチン大統領4期目就任式も、いつもながら「強い指導者」をアピール。

 9日は対独戦勝記念日。そこに集まる誰もが「プーチンより良い大統領はいない」と信じているが、その数日前にモスクワで行われた反政府デモは国内ではほぼ報じられない。国内報道で強調されるのは就任式に大統領が通常使用するメルセデスから国産自動車「コルテージ」に乗り換え、輸入車から国産車製造に力を入れるアピールだ。

 そんな中でプログラミングの仕事をしている友人から、自分の名前を冠した独自の仮想通貨の開発を簡単に始められると聞いて驚いた。ビットコイン(仮想通貨)がロシアでも、24時間稼働のATMで現金に換えられ、6%の手数料でタクシー決算ができるほど巷に広まりつつあるのだ。

 実は、普通なら欧米主導のものにはすぐに政府の規制が掛かるのに、ロシア当局はまだ仮想通貨の規制法案を成立させていない。

 この夏、外国人が訪れるサッカーワールドカップ大会開催に、国力を上げ20億ドルの経済効果を期待し、施設整備に投資しているが、ビットコインなどで外貨流入を期待して法案成立を先延ばしにしているようにも見える。

 外貨を手に入れたいロシア人の知恵がいろんな形で反映されている。

(N)