信号機導入から3カ月


地球だより

 今年の1月からケニアの首都ナイロビでは昨年から設置が進められていた信号が機能し始めた。開始から3カ月が過ぎ徐々に市民に受け入れられつつある。

 昨年末、ナイロビ市内の多くの交差点で新しく信号が設置された。アフリカの中でも非常に先駆的に発展してきたケニア。特に首都ナイロビはアフリカの代表的な近代都市として発展してきた。同時に、急激にもたらされた都市化はかつての先進国と同様に多様な問題を抱えている。

そのうちの一つが交通渋滞によるインフラ機能の鈍化である。また、規則性のない車の横断とそれにしびれを切らした歩行者の間で起こる事故も後を絶たない。

 昨年は大統領選挙があり、政治的に大きく揺れたケニア。しかし、その脇で日本円にして交通整備に14億円の投資があった。その一部が新しいインテリジェント・トラフィック・システムの導入である。

 ケニアではこれまでラウンドアバウトと呼ばれる信号を使わない方式が取られてきた。一方で、このシステムは首都ナイロビの主要交差点に信号機を配置し、その各交差点での交通量を考慮しながら待機時間を調節することで、渋滞を解消しようとするのが目的だ。

 ポレポレ(ゆっくりゆっくり)文化と言われ、独特の時間が流れるケニアだが、インフラ整備により近年大きな発展を遂げてきた東アジア諸国のように大きな飛躍を遂げることができるか。まずは交差点の信号機から見守りたい。

(Y)