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働き過ぎのパン屋に罰金


地球だより

 フランス・パリ南東約120キロにある美しい村のブランジュリ(パン屋)が、労働規制を無視して営業を続けたとして罰金を課された。村の名はリュジニー=シュル=バルス。湖畔のフォレ・ドリオン自然公園に接した人口2000人の村で、夏にはバカンス客も訪れるが、日頃は静かな村だ。

 そこでフランス人の食生活に欠かせないブランジュリを営む店が、週に1日も休まずに営業したことで最近、労働監督当局が違法労働をしたとして3000ユーロ(約36万円)の罰金を課し、村人が怒っている。

 というのも、フランスには、1920年に定められたこの業界特有の法律があり、1週間に1日は休まなければならないとされている。しかし、罰金を要求されているブランジュリは、毎朝、多くの村人が買いに来るパンを供給するため、店を開けていた。

 無論、車を使えば大きなスーパーもあるが、日曜日は休み。高齢者の多い村では、車で遠出できない村人も少なくない。

 フランスでは、2002年に週35時間労働制が導入され、特例だったブランジュリにも圧力が加えられた。そのため、製パン業界では生地の冷蔵発酵が導入され、労働時間の短縮など、努力を積み重ねてきた。それでも重労働のパン職人を嫌う若い世代が増え、人手不足の中、閉店するブランジュリも。村人は法律の改正を求めて署名を集め、当局に請願書を出したそうだ。

(M)