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“美女軍団”の思い出


地球だより

 平昌冬季五輪に合わせ韓国に来る予定の北朝鮮女子応援団、いわゆる“美女軍団”を記者が最初に密着取材したのは赴任1年目の2005年にあった仁川アジア陸上大会だった。

 スタンドでの応援や公民館の公演など4日間の追っかけで確か1000枚以上の写真を撮ったと思うが、その中に後に金正恩・朝鮮労働党委員長の妻となる李雪主氏がカメラ目線で写っていたのには驚いた。コメントの一つでも取っておけばと今更ながら悔やまれる。

 彼女たちは綺麗(きれい)どころで固められ、歌がうまく、愛嬌(あいきょう)を振りまくのでどこへ行っても大歓迎を受けた。韓国の観衆はああいう独裁体制や社会主義国にありがちな宣伝工作なのだと分かっていても、いつの間にか「ウリ(私たち)民族同士」の言葉で意気投合し、公演フィナーレで「統一の歌」を大合唱しては悦に浸った。警戒心をこんなに簡単に解いてくれるのだから、北も工作のしがいがあったというものだ。

 メダルを取った中国選手の表彰式で中国の国歌が演奏されると、スタンドで応援していた100人余りが一斉に直立不動の姿勢を取ったこともあった。経済依存する中国に頭が上がらない北朝鮮の本音を垣間見た気がしたのを覚えている。

 今回、13年ぶり訪韓となる“美女軍団”はどんなパフォーマンスを見せるだろうか。美と芸に一段と磨きをかけ、韓国の観衆をまた魅了してしまうのだろう。

(U)