フィリピンの交通トラブルの恐ろしさ


地球だより

 アジア諸国で有数の運転マナーの悪さや、劣悪な渋滞で有名なフィリピンの交通事情。そんな路上で起きるトラブルの数々は、日本人の想像を超えるものも多い。このところ立て続けに起きているのが、交通トラブルをめぐる銃撃事件だ。

 このほどマニラ首都圏の路上で、家族4人が乗った車が銃撃を受けて、乗っていた9歳の少女が重傷を負う事件があった。事件の原因は対向車のヘッドライトをめぐるトラブルで、被害者の父親が擦れ違いざまに「ヘッドライトまぶしい」と窓を開けて苦情を言ったところ口論となり、相手の運転手が連続して銃撃を加えてきたという。犯人はそのまま逃走し、警察が行方を追っている。

 さらにトライシクル(サイドカー付きバイクタクシー)と、道路を横断していた歩行者が口論となり、歩行者が所持していた拳銃を発砲する事件も起きた。トライシクルの運転手は銃撃からうまく逃げたが、トライシクルの乗客だった17歳の少女に銃弾が当たり重体となっている。こちらの犯人はすぐに捕まった。

 アジア有数の銃社会を抱える国だけに、どんなささいなトラブルにも銃が出てくる可能性があるのが、この国の怖さでもある。ちょっとしたことで、相手を注意するのも命懸けといったところだ。

(F)