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アメリカ玩具にだめ出し


地球だより

 海外旅行から帰国した友人が、子供に土産にとハンドスピナー「フィジェットトイ」と呼ばれる玩具を買ってきた。今年アメリカからブームが始まった、ストレス解消グッズで中心にボールベアリングを装着、いったんはじくと数分は回っている。スピードや組み合わせの変化が美しく格好いい。一般的には自閉症や精神疾患者に良いとも言われている。

 ところがロシアでは早くも親たちが「子供に悪い」と排除する動きが起き、友人の母親も子供に使用を禁止した。発端は7月ロシアの消費者権利保護・福祉監督庁が「10代の若者たちのハンドスピナーへの依存がゾンビ化をもたらし、人々を操作の影響を受けやすい状態にしている」と、お決まりの理由で調査を始めたことだ。

 人々を操作しやすくするとは、欧米文化の影響を受けやすくするという意味。ロシアでは、もともと海外からのトレンドを嫌う傾向があるが、とりわけアメリカからの流行は悪文化と決めつけ、彼らには受け入れ難いようだ。

 それでも格好いいと思う若者たちは、誰が何と言おうがお構いなしにくるくる回している。私が90年代に初めてロシアに来た頃、意外にパンクやヘビーメタルを好む若者が多かったのに驚いた。

 ここでの格好よさとはソ連体制への反抗心の表れでもあった。時代が変わってもアメリカから来たと聞くと、すぐに悪だと信じてしまう傾向が変わらないのは残念だ。

(N)