紅海のリゾートを満喫


地球だより

 エジプトといわれて日本人の頭に最初に浮かぶのは、ピラミッド、スフィンクス、ミイラ、ツタンカーメン王の黄金のマスク、さらに、世界三大美女の一人、クレオパトラだろう。その次が、ルクソールや王家の谷、アブシンベルに見られる古代王朝時代の大神殿や彫像など数々のお宝かもしれない。

 パピルスなどによく描かれる横顔だけの独特の絵やヒエログリフと呼ばれる独特の象形文字を思い浮かべる方も多いかもしれない。

 紅海では、誰一人住まない広大な砂漠に囲まれ、生活排水が極端に少ない中で透明度が守られ、海水温にも恵まれて育った色とりどりの珊瑚(さんご)が群生、その周りに群れる熱帯魚は、この世のものとも思えない美しさを現出している。

 最も有名なリゾート地は、シナイ半島最南端のシャルムエルシェイクだが、今回は次に有名なハルガダに行ってみた。

 海岸線沿いに広がる広大な砂丘を利用して建てられたホテルは贅沢(ぜいたく)感にあふれ、エデンの園を思わせる大小さまざまの草木や花々が咲き乱れている。その間を縫うように造られたプールの一部はジャグジー付きのぬるま湯プール。少々肌寒い水温のプールから逃れて入ると温かく、出ようとすると寒さが襲うことから、出るに出られず、結果的に長時間水泡マッサージを楽しむことになる。日本の温泉施設のノウハウの一部がうまく活用されている。

 早朝の砂浜には、水鳥が一列に並んで極小の魚の群れがやって来るのを待っている。自然の摂理の一端を垣間見る貴重な時間だった。

(S)