教育現場は変わるか?


地球だより

 夏のバカンスが終わり、新学年の新学期を迎えたフランスの小学校では、発足したばかりのマクロン政権の教育改革が早くも導入されている。その一つが、これまで週4・5日授業を受けていたのが、4日に変更することができるようになったことだ。

 これは地域によって裁量権が与えられていることだが、パリ西郊外ベルサイユ市の小学校では、週4日しか学校に通わないことになった。無論、共働きの多いフランスで、子供が週3日も学校に行かない状況に批判の声もある。教員の中にも週3日も休むと学んだことが頭から消えてしまうという指摘も聞かれる。

 もう一つの改革は、経済的に恵まれない地域で少人数制の小学校1年生に当たるクラスを新設し、手厚い教育を行うことだ。生徒間の不平等を解消しようというもので、移民系の子供たちの基礎学力養成で、学校からのドロップアウトを防ぐ狙いもあるとみられる。

 フランスではこの9月、約679万の小学生と約334万人の中学生が新年度を迎えた。ブランケール仏教育相は、教育における音楽の効果を重視することから、強制ではないが、新学年の生徒の登校時に校内に音楽を流すことが奨励された。これまでなかった新たな試みだ。

 新政権は全体として教育予算を増やす方針だが、保育園は逆のようだ。これまでいた特別補助員の姿が消え、戸惑う親が全国で相次いだ。全てに手厚いというわけではなさそうだ。

(M)