宗教によって違う休日


地球だより

 イスラエルの小中高の学校が1日、新学年を迎えた。しかし、アラブの学校では、イスラム教徒の祝日「犠牲祭」が重なり、遅れて新学年が始まった。イスラム教、キリスト教どちらの生徒も通うアラブの公立、私立(キリスト教系)の学校は、イスラム教とキリスト教の祝日が休みとなる。

 ユダヤ人だけでなくアラブ人も住むイスラエルには、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の祝日がそれぞれ存在する。職場において、ユダヤ人だけでなくアラブ人も勤めているため、おのおのの宗教によって休みが優遇されている。自分の宗教の祝日に休みが取れるのだ。ユダヤ人が休みでも、アラブ人は働いている。その逆もしかり。これは、1週間のうちの休日も同じこと。ユダヤ人は安息日である土曜日が休みとなり、アラブ人は礼拝のある金曜日、もしくは日曜日が休みとなる。

 エルサレムなどのユダヤ教徒が多く住む地域は、金曜日の夜から土曜日の夜まですべての店が閉まってしまう。そのためか、アラブ人地域の商店街では、薬や食料を買いに来るユダヤ人を見掛ける。

 土曜日、ユダヤ人の友人たちと北部地方のレストランに入った。ユダヤ人経営だが、土曜営業のレストランで働いていたのは、やはりアラブ人だった。

 このように、複数の宗教が混在する環境の中で、ユダヤ人とアラブ人が互いの宗教を尊重し、協調しながら共に働いている。

(M)