偽の日食観測メガネにご用心


地球だより

 米国で21日に38年ぶりの皆既日食が見られる。米大陸を横断する広範囲の皆既日食となると99年ぶりで、大きな話題になっている。

 部分日食を含めると全米で2億人が観測するとの予測があり、観測用メガネも飛ぶように売れているという。ただ、太陽の光を遮らない偽物のメガネが市場に多く出回っており、米天文協会は購入する際に注意するよう呼び掛けている。

 CNNテレビによると、特に米インターネット通販大手アマゾン・ドット・コムのサイトで販売されている観測用メガネに多くの粗悪品が交ざっている。これらは中国製が多く、偽の国際標準化機構(ISO)規格のマークを付け、サイト上には嘘(うそ)のテスト結果まで表示しており、実際に手に取ってみないとほとんど本物と見分けがつかないという。アマゾンは粗悪品を買った人に対し、連絡を取って代金を払い戻す方針を表明したが、かなりの人が偽物を購入したとみられている。

 筆者の子供はちゃんとした観測用メガネを持っている友達と一緒に見る約束をしているため安心できるが、観測用メガネ売り場では、しっかり確認する人や店員に質問している人をよく見掛ける。偽物のメガネを使って失明したくない気持ちは皆同じで、そうした事件が起こらないよう願っている。

(Y)