孝行息子・河野外相に期待?


地球だより

 先の安倍内閣改造の目玉の一つである河野太郎氏の外相起用に韓国が早くも反応を示した。河野氏の父、河野洋平元衆議院議長は官房長官時代の1993年、いわゆる従軍慰安婦問題で談話を発表し、韓国では「日本軍による強制連行があったと認めた」とされる、数少ない“良心的日本人”だ。その息子が外相になったことで談話の“精神”が継承されるのではないかと期待を膨らませているようだ。

 韓国各紙は、15年前、太郎氏が洋平氏のために生体肝臓のドナーになった美談を紹介した。あるネットの書き込みは「子供として父親を治癒してあげたように韓国民の傷ついた心を治癒してくれるだろう」と、孝行息子に期待を寄せている。一方で日韓「慰安婦」合意は履行すべきとする河野外相の発言を批判的に伝えるメディアもあった。

 安倍首相としては歴史認識問題で反日に走りやすい中韓両国の批判を少しでもかわし、批判に便乗する野党や市民団体、メディアによる政権攻撃のダメージを軽減させる狙いかもしれない。だが、周知の通り韓国での「アベ」不人気は相当のもの。一時は世論調査で北朝鮮の「若大将」よりも信頼度が低かったほどだ。

 「アベ」カラーを脱し父のように韓国で英雄視されるのか、それとも「アベ」の心中を忖度〈そんたく〉(!)し韓国人に裏切り者扱いされるのか。河野外相も大変な職を引き受けたものだ。

(U)