世界日報 Web版

静かな人気、北朝鮮ツアー


地球だより

 「北朝鮮ツアー」が、ロシア人の静かなブームになっている。友人オルガは、これまで「太陽節」後の平壌に2度足を運び、また今後も訪ねたいと思っている。北朝鮮は韓国のようにノービザではないが、観光目的のツアーに参加すれば簡単に北朝鮮に入れる。

 平壌は1980年代のソ連時代末期を彷彿(ほうふつ)させるレトロ感と、東洋のエキゾチックさが融合しているのだとか。

 ロシアのヴィタリー・マンスキー監督が映画「太陽の下で~真実の北朝鮮~」製作で見せた、北朝鮮の統制システムの恐ろしさは、前世代の記憶にほかならなかった。映画の中では一人の少女が全体主義システムの一部に組み込まれていく姿に、同情心を禁じ得ない。

 北朝鮮の現状はロシア人にはひとごととは思えないようだ。彼らの土産話を聞くと、どの観光客にも「監視人」が付き、ツアーガイドとして外国人が金正恩首領の批判をしないよう監視された、またロシアのたばこやウオッカの差し入れをガイドが喜んでいた姿を見て、「われわれも過去に同じ時代を通過した」と言う。

 ロシアの若者たちが北朝鮮観光を望むのは、客観的に社会主義体制の限界をロシア人たちが反省できるからでもある。筆者は北朝鮮の現状にただ恐怖感を感じるだけだが、ロシア人は北朝鮮人民に「早く目を覚ませ」と言わんばかりに、何とかしてあげようという気持ちがあるように思う。

(N)