大統領がセクハラ?


地球だより

 フィリピン大統領が米国の女性国務長官にセクハラ行為を行い、殴られる一幕があった…。といってもドラマ内の話だが、国のイメージを重んじるフィリピン大使館は敏感に反応し、抗議の声を上げている。

 波紋を呼んでいるのは、米テレビ局の人気ドラマ「マダム・セクレタリー」の予告編で、主人公の女性国務長官が大統領府とおぼしき場所で何らかのセクハラを受け、その報復としてフィリピン大統領を殴るという場面だ。大統領は派手に鼻血を出すなど、かなり痛々しい描写となっている。

 ドラマ内の大統領は本物と比べるとかなり若々しいが、フィリピンの伝統的な正装であるバロン・タガログを着用し、髪形や顔の雰囲気などからドゥテルテ氏をほうふつさせる部分もある。

 在米フィリピン大使館は、「ドラマはフィクションだが、われわれの国のリーダーに対して非常に否定的な描写」「フィリピンは長年にわたって男女平等に力を入れている」との声明を出し、テレビ局に是正を求めた。

 本物の大統領であるドゥテルテ氏は、以前から「女たらし」を自称しており、これがドラマの脚本に影響を与えた可能性もありそうだ。

 しかし先日、大統領府の屋外で行われた記者会見で、汗ばむ女性記者に「まだ使ってないよ」と、気さくにハンカチを差し出すなどジェントルマンぶりを発揮、話題となった。意外かもしれないが、フィリピンではレディーファーストが根付いており、電車で席を譲るなど、女性への気遣いを見る場面は多い。

(F)