珍獣センザンコウの鱗


地球だより

 バンコク郊外のスワンナプーム空港で昨年12月、センザンコウの鱗(うろこ)2・9トンが押収された。センザンコウは絶滅危惧種としてワシントン条約で国際取引が禁止されている。タイ行政当局が2日、明らかにした。

 センザンコウの押収は12月4日に1・7トン、クリスマスイブ前日の23日に1・2トンと2回にわたった。いずれもコンゴ民主共和国の首都キンシャサからの空路で、経由地イスタンブールを経て、スワンナプーム空港に送られてきたものだ。最終的な送り先はラオスの首都ビエンチャンだった。

 スワンナプーム空港で貨物のエックス線検査を行った際、密輸が発覚した。

 センザンコウはアリクイに似た哺乳類で、体が鱗で覆われて危険を察知するとダンゴ虫のように体を丸めて自己防御態勢を取る。

 鱗は毛が密集して硬くなったもので、刃物のように鋭利なため、シッポを振り回して攻撃することもある。

 1体に約300枚の鱗を持つが、漢方薬としても珍重され、密猟により絶滅の危機にある。歯は無く、長い舌を使って、アリやシロアリの成虫、幼虫、卵などを食べる。

 昔は東南アジアのセンザンコウが専ら巨大マーケットの中国に送り込まれた経緯があるが、近年はインドやアフリカのセンザンコウまでが中国に運び込まれるようになっている。

 「あらゆる道はローマに続く」ではないが、巨大な胃袋と化した中国に世界の珍味や漢方の原料がなだれ込んでくる。

(T)