たくましい子供の順応力


地球だより

 5歳の娘が9月から公立のキンダーガーテン(日本の幼稚園の年長に相当)に通い始めた。筆者が住むバージニア州では、キンダーガーテンは義務教育で小学校の中にある。このため、幼稚園児でも小学生たちと一緒に黄色いスクールバスに乗って登校している。

 娘は米国生まれだが、われわれ夫婦は共に日本人で、就学前のプレスクールにも通わせていなかったので、英語が全く話せない。先生やクラスメートとコミュニケーションが取れるのだろうかと心配したが、それは杞憂(きゆう)だった。

 担任の先生に様子を聞いたところ、娘は入学当初から話をしっかり理解し、時折、英語で会話をしているというのだ。家で英語のアニメ番組を見ていたことで耳が少し慣れていたのかもしれないが、子供の順応力の高さには驚かされるばかりだ。

 最近は「パパとママの言い方、ちょっと変」と、娘から英語の発音の誤りを直されることも。同じクラスにニコラスという男の子がいるが、正確な発音は「ネクレス」だという。確かに、そう発音するとネイティブっぽい響きになる。

 他にも、ナタリーは「ナラリー」、ケイラは「キューラ」が正しい発音だそうだ。日に日に娘から教わることが増えている。

 米国の教育システムは日本と異なることが多く、親も戸惑うことの連続。たまに「きょうは学校に行きたくない」とぐずる日もあるが、たくましく順応している娘の姿に、励まされている。

(J)