公金意識の乏しいオバマ大統領


地球だより

 東京都の舛添要一知事が公用車で神奈川県湯河原町の別荘に通っていたことなど「公私混同」が厳しく批判され、辞任を余儀なくされた。これに対し、米国の有権者は政治家の公金意識に不思議なほど無頓着だ。

 オバマ大統領は経済格差の是正を訴える「庶民の味方」のイメージとは裏腹に、プライベートでは豪華な家族旅行やゴルフを繰り返している。自分たちの宿泊費やゴルフ代はポケットマネーで支払うが、専用機「エアフォースワン」での移動費や大規模な警備費、随行するスタッフにかかる諸経費などはすべて税金で賄われる。

 大のゴルフ好きであるオバマ氏は就任以来、今年1月までの7年間で270回もプレーしている。大統領にも息抜きは必要だが、国内外に難題が山積する中で、年平均40回近くもゴルフをする余裕があるというのは正直信じられない。クリスマス休暇の恒例となっている出身地ハワイへの家族旅行のたびに400万㌦(約4億2000万円)の税金が投じられる。

 オバマ氏の下で国家の財政赤字は大幅に膨れ上がった。財政赤字削減の模範を示すために、家族旅行を近場で済ませたり、ゴルフの回数を減らすことはできるはずだが、セレブ生活を改める気配はない。

 オバマ氏の姿勢を苦々しく感じるのは、公金に対する日本人の感覚が過敏すぎるせいなのかとも思い、英国人の知人に“第三者”の意見を求めてみた。曰く、「英国の首相がオバマ氏のような贅沢(ぜいたく)生活をしていたら政権は維持できないよ」。やはり、公金に対する感覚がずれているのは米国民のようだ。

(J)