風紀委員


地球だより

 ベトナム政府はこのほど、都市に生活するマンション住民に対して通達を出した。

 その通達というのは、マンション住民は「汚い言葉を使ってはならない」「テレビを大音量で視聴してならない」とかいった「え?」と思うようなものだ。

 さらに「洗濯物を手すりや階段で干してはならない」というものもあった。ホーチミンやハノイ市の路地裏では、しばしば土手のフェンスなどに洗濯物が翻っていたりする。

 そうした学校の風紀委員がやるようなことを政府が国民に対してやっているのだ。

 これは、それほど都市生活者のマナーがよろしくないというベトナム社会を映し出す鏡のようなもので、同国の人々の暮らしぶりが分かろうというものだ。

 昨年、ハノイの国際空港のラウンジの椅子に真っ赤なブラジャーが干されていたことに、ベトナム社会から中国人観光客のマナーの悪さを批判する声が殺到した経緯があるが、ベトナム人自身も同様の体質を備えている。

 なお同通達は12項目に及んでおり「ペットの放し飼い」や「窓やベランダから物を投げ捨てる行為」などを禁じている。それのみか「賭博や売春の禁止」「爆発物・可燃物を取り扱うビジネスの禁止」などといったものまで含まれている。

(T)