保育園の児童虐待を根絶するためには


韓国紙セゲイルボ

 仁川保育園で起きた保育士の児童虐待事件は全国民の怒りを買っている。より深刻なことは、これが偶発的蛮行ではなく、全国の保育園で類似の事例が普遍的に発見されていることだ。

 現在、政府や政界では監視カメラ設置の義務化、評価認証制の強化などが議論されているが、園には監視カメラが付いていたし、また優良の評価認証を受けていた。なので、根本的な対策を立てるためには、保育サービス環境と構造的問題に着目する必要がある。

 児童虐待発生の直接的原因として三つが挙げられる。一つは、初めから保育士としての資質を備えていない人材が保育士になっているためだ。全面無償保育の実施で保育市場が量的に急激に拡大し、質の低い人材が現場に進入したことの必然的結果だ。

 第二には、保育士の勤務条件が劣悪なこと。長時間勤務と休暇なしで肉体的・精神的に疲れている。専門職業人として自分を省察して再充電できる余裕がない。

 三つ目は、園児確保にだけ集中するマーケティング戦略と費用節約経営にとらわれていることだ。保護者も低費用だけを考えており、より良い保育サービスに対して共に協力する姿勢を期待することは難しい。

 従って、保育士養成および資格体系が強化され、保育士の勤務環境改善はもちろん、保育サービスが市場論理で歪曲(わいきょく)されないように、保育園運営に保護者が関与し、常時モニターのような責任を負う構造へと管理体系を変えなければならない。

(石在恩〈ソクジェウン〉翰林大教授・社会福祉学、1月21日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。