足りないのは数?質?


地球だより

 このところフィリピンでは、有名人が殺害される事件が相次ぎ、治安の悪さが際立つ結果となっている。

 マニラ首都圏で、フィリピンを代表するレーシングドライバーの男性が、レーシングカーを運ぶトラックを運転してサーキットに向かう途中、バイクに乗った男に銃で撃たれて死亡した。その同じ日に、ミンダナオ島のダバオ市でも、国内で有名ホテルチェーンを経営する実業家の男性が、事務所で銃で撃たれて死亡した。いずれも犯人は何者かに依頼された殺し屋とみられており、殺害の動機などは不明だ。

 フィリピンでは、このような殺人事件が多発しているが、犯人が捕まらないことが多い。5月にも旅行代理店の支店長だった邦人男性が射殺されているが、犯人はまだ逮捕されていない。このような現状の中、マニラ首都圏警察は、警官が1万人不足していると説明し、治安の改善には警官の増員が必要だと主張した。

 だが警官の中には職務を放棄し、市民への恐喝などで小遣いを稼ぐ連中も少なくない。つい最近も韓国人実業家の身代金誘拐事件で、警官が容疑者として逮捕されたばかりだ。警官を増やすのはいいことだが、その前に悪徳警官の排除による警官の質の向上が必要だと感じる。せっかく増やした警官が、自ら犯罪を犯したのでは本末転倒だ。

(F)