韓国はスマホ“狂国”


地球だより

 毎日乗るソウルの通勤電車の車中では、スマホに興じる人たちを多く見掛ける。高齢者はそれほどでもないが、それ以外の年齢層では男女問わずスマホにイヤホンを挿して好きな連ドラを観(み)たり、音楽を聴いたりしている。おかげで車内は静かだ。

 駅の構内や車両には至る所にWi―Fiが設置されていて、さすがは「IT強国」と自負するだけのことはある。だいたい乗客の3人に2人くらいはスマホとにらめっこしているが、持っていない人も横でゲームやカカオトークをしているのを覗(のぞ)き込んで、一緒にニヤニヤしてたりする。かく言う筆者もニュースやメールのチェックをするのに余念がない。

 ソル(旧正月)や秋夕(中秋節)の連休など、親戚が一堂に会するような場所でもスマホを離さなかったり、海水浴や登山など行楽地に来てもスマホがないと落ち着かないという人が増えている。先日、取材先の座り込みデモの現場で、一部の参加者がスマホにはまっていたのには笑ってしまったが。

 こうなるとIT強国というよりスマホ“狂国”だ。最近は子供たちが勉強そっちのけでスマホに熱中するため、中毒予防を呼び掛ける学校や病院が増えている。スマホのやり過ぎは自分の殻に閉じこもったり、対話下手にしてしまう。保護者にとっては心配の種だ。

 スマホの爆発的な普及によって端末機の“進化”もとどまる所を知らない。旧世代型の端末機を持っていたら、インタビュー相手の韓国人に「記者先生がそんな物を持っていては……」と言われたこともあった。まだ見てくれで人を判断する癖のある韓国では、物を大事にし過ぎるとかえって良くないこともある(?)

(U)