中露からタイへの観光客顕著に


地球だより

 タイ観光スポーツ省によると、5月にタイに入国した外国人は前月比14・1%減の173万7000人と激減した。クーデター騒動など政局の混乱が影響し観光客の足を止めた格好だ。

 ただタイ全土で等しく観光客が減少しているわけではない。わけてもバンコクを経由しなくても海外から直接来られる、タイ南部のビーチリゾート地プーケットなどは昔と変わらない賑(にぎ)わいを見せている。全土に敷かれた夜間外出禁止令は、サムイ島、パタヤと同様、プーケット島でも解除されている。経済が落ち込みを示している中、観光産業のドル箱であるプーケットなど、外国人観光客に迷惑が掛からないように配慮しているのだ。

 なお1~3月にタイ南部プーケット島を訪れた外国人は前年同期比6・9%増の96万2953人。これまで気を吐いてきた欧州、日本人が影をひそめ、ロシア人、中国人の存在感が突出してきた。プーケット外国人訪問客のうち、トップはロシア人で22万8691人(前年同期比20・4%増)、次いで2位が中国人で22万5949人(同1・6%減)となっている。

 決して日本や仏独の人々が急減したわけではないのだが、ロシア人、中国人の突出ぶりが顕著なのだ。

 ちなみに経済が落ち込み通貨が安くなると、外国人観光客が増加して経済的ダメージを和らげてくれる観光資源の豊富さは、経済大国のピークを越えつつあるわが国のありように示唆を与えてくれる。

(T)