大手百貨店の免税品売上高で、大阪が東京を…


 大手百貨店の免税品売上高で、大阪が東京を圧倒している。高島屋では、大阪店の2018年2月期の免税品売上高が前期比59%増の240億円となり、東京で健闘した新宿店(7%増の115億円)に大きな差をつけた。

 先月上旬、気流子は出張で大阪に足を運んだが、週末の繁華街の賑(にぎ)わいに目を見張った。

 心斎橋周辺の商店街では、地元の人たちに交じり多くは中国人観光客だが、韓国人や東南アジアの人たち、家族連れ、カップルの欧米人などが肩を押し合ってショッピング。東京でもなかなか見られない光景だった。

 道頓堀沿いには、たこ焼き、お好み焼き、ラーメン、和食など食い倒れ自慢の店がひしめき、人気店には外国人も並ぶ長蛇の列。薬・化粧品の免税店は呼び込み合戦が夜遅くまで続いていた。

 6年ほど前、評論家の堺屋太一氏が「大阪10大新名物づくり」を提案した。そのうち「道頓堀を巨大プールに」という構想は資金不足で挫折したが、日本一の高層ビル・あべのハルカスの展望台やJR大阪駅の空中カフェは程なく実現し人気スポットになっている。

 銀杏(いちょう)並木が続く御堂筋の欧州的で荘厳な雰囲気は相変わらず、歩いていてずいぶん気分がいい。地に足の着いた長期ビジョンに基づく街づくりが進んでいるというのが実感だ。約半世紀前の大阪万博時、各界名士らが胸を張った「関西から世界へ」の大合唱が思い出される。停滞が続いた商都・大阪の復活を願いたい。