18年の日本経済 賃上げ、減税で勢いつくか


 東京証券取引所で新年最初の取引(大発会)が行われ、日本経済が本格的に動きだした。経済的には昨年は大きな波乱もなく、緩やかな拡大を続けたが、新年はどんな展開になるのか。

 当初予算として過去最大の規模の2018年度予算(案)、安倍晋三政権の看板政策を後押しする税制改正により、賃上げや設備投資がどこまで盛り上がるか。また4月に任期満了となる黒田東彦日銀総裁の後任に誰が決まるのかも注目である。

 首相が「3%以上」要請

 18年の東証大発会は、日経平均終値が741円39銭高で一年の幕を開けた。幸先の良いスタートである。多少の変動は当然としても、市場関係者には「19年秋までは好調が続く」との声が少なくない。19年10月には、消費税の10%への引き上げが予定されており、それまでは現在の景気拡大が続くという強気の見通しである。

 懸念材料がないわけでない。むしろ、依然として不穏な北朝鮮情勢をはじめ、トランプ米政権のエルサレム首都認定を契機としたパレスチナ問題や中国の軍備拡張・海洋進出など問題は枚挙に暇(いとま)がないほど。経済的にも中国経済の減速というリスクもある。ただ、やはり米国の大規模減税の実施は日本経済にとって大きなプラス要因であることは間違いないであろう。

 国内要因にも、人手不足の問題が公共事業や建設のほか、介護や接客などサービス系の現場で深刻化するなどマイナス面はある。しかし全体としてみれば、好調な企業収益、過去最大規模となった18年度予算(案)、同予算で安倍政権の看板政策「人づくり革命」と「生産性革命」の実現を後押しする税制改正など大きなプラス要因がある。

 これに加えて、安倍首相が毎年経済界に訴え、今回は特に具体的な「3%以上」という数字を挙げて要請した春闘での賃上げである。

 賃上げ率は首相の要請にもかかわらず、ここ数年は2%台に留(とど)まっている。首相が賃上げにこだわるのは、それが経済好循環の起点となるからであり、国民の多くが感じている「景気拡大の実感の乏しさ」を少しでも克服したいからである。

 今回はそのために、特に「生産性革命」実現の中で「3%以上」の賃上げなどを実施した企業への減税措置を税制改正で用意した。豊富な内部留保を積極的な賃上げや設備投資に回す「攻めの経営」への転換を促すものである。3年間という時限措置のため、企業が固定費増となる賃上げにどこまで踏み切るか不透明な部分も確かにあるが、政府の意欲は評価したい。

大規模緩和でいいのか

 注目したいのは、日銀の金融政策である。米欧が金利正常化や量的緩和の縮小に向かう中、日本は現行の大規模緩和政策のままでいいのかどうか。

 緩和政策は、現在の景気拡大を支える大きな要因ではあるが、マイナス金利などの長期化は銀行の収益悪化をはじめ副作用が目立ってきた。国民の得るはずの利子所得数十兆円を喪失し消費不振を招く一因とも指摘される。4月に任期満了となる黒田総裁の後任人事はその行方を左右しよう。