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「前回の東京五輪が開催された1964年と比べる…


 「前回の東京五輪が開催された1964年と比べると隔世の感がある」と、日本ホテル協会の志村康洋会長。2020年の訪日外国人の政府目標は4000万人で、実現すれば前回64年(35万人)の110倍超に達する。

 志村氏は「滞在先のホテルの印象が、日本の印象を決めてしまう」と話し、業界全体で接客を中心にサービス向上に努める考えだ。

 日本のホテルでは、フロントのきびきびした、気をそらさない対応に、外国人は大きな安心感を抱くとよく聞く。ただ、最近はどの国でもホテルマンの教育はかなり行き届いているので、フロントなどの印象はそう変わらないかもしれない。

 日本の場合、接客で素晴らしいと感じるのは、臨機応変な対応ぶりだ。例えば、万年筆のスペアインクの補充、衣服の綻びの繕いなども嫌な顔一つ見せず応じてくれる。ある人は骨壺(こつつぼ)をくるむ布について相談したところ、要望のものを用意してくれたと感心しきりだった。

 ホテルマン・ウーマン一人一人の心掛けに依(よ)るところが大きいが、そのホテルで長年のうちに積み重ねられた接客の経験、ノウハウが生んだおもてなしだ。「三方よし」という考え方が背後にあり、新興のホテルにも、こうした接客心得を取り入れてほしい。

 もう一つ、日本には、歴史的事件に絡んだような由緒・伝統あるホテルが、都心、地方にかかわらず立ち、特に欧米人には人気がある。この特徴も生かすべきだ。