上場企業の中で、株主に自社製品や商品券を…


 上場企業の中で、株主に自社製品や商品券を贈呈するなどの優待制度を活用するところが増えている。昨年11月末時点の導入企業数は、全上場企業の約33%に当たる1287社と過去最高を更新中だ。

 ほかに自社サービスの提供、自社施設見学への招待……と多彩で、「もはや一つのブーム」と見る経済学者も。株式を安定的に持ち続けてくれる株主を増やすのが狙いで、保有期間が長い株主をより手厚く優遇する企業も増えている。安定株主の増加は長期の企業競争力を高める効果がある。

 日本全国で100年以上続いている企業は2万6000社以上(帝国データバンク調べ)あり、200年以上の企業数も世界で一番多い。その背景に、わが国には伝統的に「総有」(共同所有)という考え方があるということがよく言われる。

 昔から商家には「家産とは先祖からの預かり物」とか「売り手よし、買い手よし、世間よし」という家訓があった。利潤極大化を目指し、市場経済を至上とする欧米の価値観には馴染まない。

 戦後、株式持ち合いや「安定株主」によっていわゆる日本的経営が形成されてきたのは、「総有」の伝統と無関係ではなかろう。

 株主優待が増える直接の理由は、一昨年1月からの少額投資非課税制度(NISA)の開始。NISA口座の新規投資額は年間最大120万円に限られるが、翌年以降の買い増しや長期保有が期待できる。女性の投資家も増えそうだ。