戦後金融政策の試練と挑戦


鈴木 淑夫

発展、挫折、新たな挑戦

鈴木政経フォーラム・経済学博士 鈴木 淑夫

 戦後70年間、日本の金融政策は試練と挑戦の連続であった。

 敗戦直後、金融政策はハイパー・インフレーションの抑制(金融収縮)と産業復興資金の供給(金融拡張)という相反する二つの課題を背負って苦闘した。二つの課題解決が中途半端になっているのを見て、1948年12月、米国は「経済安定9原則」を日本に突き付けた。超均衡財政と融資抑制というドラスティックな緊縮政策を要求し、49年4月に1ドル=360円の単一為替相場を設定した。いまのギリシャ経済のような縮小均衡の政策である。


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