流動性の罠と異次元金融緩和


鈴木 淑夫

日銀が成長戦略を強調

鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫

 マクロ経済学を勉強したことのある人なら、J・M・ケインズの「流動性の罠(わな)」という言葉をご存知であろう。景気を回復するために、金融緩和政策で流動性の供給を増やし、金利低下を誘導して行って、金利水準がゼロまで下がってしまうと、いくら流動性を追加供給しても金利はゼロ以下には下がらない。一層の金融緩和政策は有効性を失ってしまう。この場合、景気を回復するためには、財政拡張政策(財政支出拡大や減税)が必要だとケインズは主張した。このため、財政拡張政策をケインズ政策とも言う。


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