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ダボス会議で経済再生に全力挙げる決意を


 安倍晋三首相はきょう、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で日本の首相として初めて基調演説を行う。日本経済再生に全力を挙げる決意を表明してほしい。

 海外も景気腰折れを懸念

 世界経済フォーラムは、スイスの実業家で経営学者のクラウス・シュワブ氏の提唱で1971年に発足した。毎年1月、同国の保養地ダボスで年次総会を開催する。

 44回目となる今年のテーマは「世界の再形成」。安倍首相のほか、イランのロウハニ大統領、イスラエルのネタニヤフ首相、韓国の朴槿恵大統領ら約40カ国・地域の首脳を含め、約2500人が参加するとみられている。安倍首相は経済政策「アベノミクス」の成果を説明し、各国の財界人らに「日本経済の復活」をアピールしたい考えだ。

 アベノミクスは大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」による政策だ。日銀の「異次元緩和」は円安・株高につながり、公共投資を中心とした巨額の財政出動は、景気回復を下支えした。

 このほど日銀が発表した「地域経済報告」(さくらリポート)では、全国9地域のうち5地域の景気判断を引き上げ、2005年4月のリポート公表開始以来、初めて全地域で「回復」の表現を盛り込んだ。

 しかし、デフレ脱却は道半ばだ。4月には消費増税を控え、景気腰折れが懸念されている。さくらリポートによると、多くの地域から乗用車販売や住宅投資での駆け込み需要が報告されており、増税後の反動が気掛かりだ。

 首相は24日召集の通常国会を「好循環実現国会」と位置付け、引き続き経済再生を最優先課題に掲げて政権運営に取り組む姿勢を示している。消費増税に備え、経済対策を盛り込んだ13年度補正予算案を2月上旬、14年度予算案を3月末までに成立させ、景気の腰折れを回避したい考えだ。

 海外の有識者の間にも、消費増税による日本の景気失速を懸念する声がある。首相にはダボス会議の場で、経済対策について十分に説明することが求められよう。

 もっとも消費税率が5%から8%に引き上げられると8兆円のデフレ効果が生じるとされ、5・5兆円規模の経済対策では不十分だと言える。増税後の経済の動向次第では、14年度補正の編成も必要となる。デフレ脱却の大きなチャンスを逃してはならない。

 民間主導の自律的景気回復のためには、アベノミクスの「第3の矢」である成長戦略の成否が鍵を握る。中でも、農業や雇用、医療を中心とする抵抗の強い「岩盤規制」を崩せるかが焦点だ。首相は日本経済再生への決意を新たにしてほしい。

 世界経済への目配りも

 ダボス会議では世界経済の課題が討議され、首相は滞在中、米国人投資家ジョージ・ソロス氏や、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事らと意見交換する。

 世界経済の動向は、日本経済にも大きな影響を与える。首相には目配りが求められる。

(1月22日付社説)