73新しい党綱領(1)

「二つの敵」が打倒対象/基本路線は二段階連続革命

 日本共産党は、第23回党大会を開き、2004年1月17日、新しい綱領を採択しました。

 43年前の第8回党大会で、これまでの綱領が採択されましたが、以後、4回(1973年、76年、85年、94年)にわたって行われた綱領改定は「部分的な改定」でした。しかし、今回は宮本路線から不破路線への転換を明らかにした「全面改定」です。

 その新綱領を検討する前に、第8回党大会で決定された綱領がどのようなものであったかを見てみましょう。

「現在、日本を基本的に支配しているのは、アメリカ帝国主義と、それに従属的に同盟している日本の独占資本である。わが国は、高度に発達した資本主義国でありながら、アメリカ帝国主義になかば占領された事実上の従属国となっている。(略)(だから)現在、日本の当面する革命は、アメリカ帝国主義と日本の独占資本の支配──二つの敵に反対するあたらしい民主主義革命、人民の民主主義革命である」

 つまり、打倒すべきは、「アメリカ帝国主義と日本の独占資本」の「二つの敵」です。

 ここで、「独占資本」と「帝国主義」について、少し説明しておく必要があるでしょう。

 マルクス主義では、資本主義が発展すればするほど、社会は少数の独占資本家階級(ブルジョアジー)と大多数の貧しい労働者階級(プロレタリアート)に分かれる。その激しい階級対立は、ブルジョア階級を打倒する革命をもたらし、社会主義社会、そして共産主義社会が樹立されると教えています。

 さらに、レーニンは、この独占資本は、原料資源の確保、工業製品や金融資本の輸出先として、植民地を求める、これが帝国主義であるとしています。世界の分割が完了した段階で、植民地の奪い合いが始まる、これが帝国主義戦争で、第一次世界大戦、第二次世界大戦はその代表的なものだと、その「帝国主義論」で説明しています。

 ここから、資本主義・帝国主義勢力は「戦争勢力」、それに反対する社会主義・共産主義勢力は「平和勢力」で、この戦争勢力である資本主義を打倒しなければ、平和はもたらされない、と宣伝するのです。

 では、戦前の共産党が打倒の対象とした「天皇制」についてはどう考えるのでしょうか。

 この綱領では、「アメリカ帝国主義は、……天皇の地位を法制的にはブルジョア君主制の一種とした。天皇は、アメリカ帝国主義と日本独占資本の政治的思想的支配と軍国主義復活の道具となっている」と述べ、その「君主制を廃止し、反動的国家機構を根本的に変革して人民共和国をつくり」としています。

 そこから導き出された革命戦略は、

(1)アメリカ帝国主義と日本独占資本を敵とし、

(2)労働者を中心とする「人民の強力で広大な統一戦線」「民族民主統一戦線」をつくり、

(3)その「民族民主統一戦線勢力が積極的に国会の議席をしめ、国会外の大衆闘争とむすびついてたたかうこと」により、「民族民主統一戦線政府」を樹立する、

(4)そして、それを「革命の政府、革命権力」に強化することにより、

(5)「わが国の独占資本を中心とする売国的反動支配をたおし(金融機関と重要産業の国有化への移行)、わが国からアメリカ帝国主義をおいはらって(日米安保条約の廃棄)、主権を回復し」、

(6)「君主制を廃止し、反動的国家機構を根本的に変革して人民共和国をつくり」、

(7)「資本主義制度にもとづくいっさいの搾取からの解放、まずしさからの最後的な解放を保障するものは、労働者階級の権力、すなわちプロレタリアート独裁の確立、生産手段の社会化、生産力のゆたかな発展をもたらす社会主義的な計画経済である」、

(8)「社会主義社会は共産主義社会の第一段階である。この段階においては……『各人は能力におうじてはたらき、労働におうじて報酬をうける』原則が実現され、……共産主義のたかい段階では、……人間の知的労働と肉体労働の差別が消えさるだけでなく、『各人は能力におうじてはたらき、必要におうじて生産物をうけとる』ことができる」、

(9)そして、「人間にたいするあらゆる暴力は廃絶される。原則としていっさいの強制のない、国家権力そのものが不必要になる共産主義社会、真に平等で自由な人間関係の社会が生まれる」。

 これが「民主主義革命」から「社会主義革命」への「二段階連続革命路線」といわれるものですが、1970年の第11回党大会で、「革命の政府」の前に、社会党(当時)に「革新統一戦線政府・民主連合政府」を樹立しようと呼び掛けました。

 これは当時、総選挙での躍進(衆議院40人当選)と、社共両党による革新自治体が大きく広がっていたため、国政でも革新統一戦線政府を実現し、最大の障害である「日米安保条約の廃棄」を狙ったものでした。

(2004・1・28)


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