みんなが知りたい日本共産党50問50答ジャーナリスト・今井道夫 不破・志位両氏の真意が見えてくる日本共産党のお株を奪う「Q&A」スタイルで、ただでさえ“頭にこたえる”共産主義独特の用語が、会話体でそしゃくされ、頭にすっと入ってくる。日本共産党を知る入門書としては最適であろう。特に、女性や若い世代にとっては読みやすいものだ。 Q&Aにはまた、つまみ食いができる楽しさがある。「共産党が女性を重視する背景には何があるのでしょうか」といった質問には思わず目が行き、ページをめくってしまう。 「共産党が政権をとるとプロ野球がなくなるのですか」「官公庁やマスコミにも多くの隠れ党員がいるそうですが」「ひんぱんにリンチ事件があったというのは本当ですか」といった興味をそそられる質問が続く。回答は丁寧で行き届いているが、隠れ党員のマスコミ別人数表を添えるなど、単なる解説の域を超えた、意外性もある。 マスコミへの露出度が高い共産党の不破委員長や志位書記局長が、必ずといっていいほど口にする「資本主義の枠内での民主的改革」「国民が主人公の政治」といった言葉の意味が、手に取るように分かるようになる。「国民」とは実は「共産党」のことである。 ソ連の歴史を振り返れば一目瞭然だが、卑近な例として、東大阪市の例を挙げて説明している。共産党員の長尾市長は共産党系の市職員労組の書記五人が健康保険に不正加入している事実を認めたにもかかわらず、何の法的措置もとらず、また同労組幹部の妻を特別雇用していたことも判明した。いくら共産党が「(解体した社会主義の祖国)ソ連とは違う」と強弁しても、「権力は必ず腐敗する」という人間の性(さが)を克服できるとは到底思えない。 巻末にするには惜しいのが元党員の覆面座談会だ。「日本共産党は変わったのか」について、元党員ならではの視点があり、引きずり込まれてしまった。 中井京都府委員長の選挙敗北の自己批判文はむりやり書かされたものだ、とか、民主集中制の背景に東大出身幹部のエリート主義の臭いがする、といった指摘は、彼らの過去の苦い経験が重なっての発言であろう。「党内民主主義はありえない」という元党員の結論を、現幹部はなんと聞く。 元党員が、一見柔軟に見える不破・志位路線の本質を、二つの顔を使い分けるマキャベリズム、と断じているのはさすがだ。 (世界日報社 本体九五二円)
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