福島 純一

過激化する中国公船の威嚇 南シナ海で多発 国際社会 非難の声

フィリピンと中国が領有権を主張する南シナ海で、中国の威嚇行為がエスカレートし、フィリピン側に複数の負傷者が出る事態となっている。フィリピンの補給船が中国海警局の船から激しい放水を受け、乗員が負傷したり船体が激しく損傷するケースが相次いでいるほか、海洋資源調査の研究者チームが中国ヘリによる危険な妨害を受けた。エスカレートする中国の横暴な行動に国際社会から非難の声も高まっている。

【ワールドスコープ】比ミンダナオで大規模地滑り 責任の所在どこに 生き埋めで約100人死亡

ミンダナオ島ダバオ・デ・オロ州の鉱山地帯にある居住地が大規模な地滑りにのみ込まれ、鉱山会社の労働者など100人近くが死亡する惨事となった。鉱山会社は採掘地域の外で起きた災害だとして責任を否定する一方、環境保護団体は鉱山事業による環境破壊が地滑りの原因だとして責任の追及を政府に求めている。大雨によるミンダナオ島の被災者は150万人まで増加し、インフラ被害も20億ペソ(約54億円)に達した。

比 新たな〝麻薬戦争〟正・副大統領陣営が対立 ICCへの軟化が引き金に

「ドゥテルテ政権の継承」をうたい文句に先の大統領選で大勝を果たしたマルコス大統領と、サラ・ドゥテルテ副大統領を含むドゥテルテ陣営の蜜月関係が早くも終焉(しゅうえん)を迎えようとしている。その背景には麻薬戦争を巡る国際刑事裁判所(ICC)の調査や改憲を巡るマルコス氏の動きに対するドゥテルテ陣営の強い不満がある。現大統領と前大統領が互いに「薬物中毒者」とののしり合う事態にまで発展しており、政治的混乱は避けられそうにない。

「ジプニー」近代化推進 比市民の足 存続の危機 移行阻む車両高額化

庶民の足として安価な運賃でフィリピンの交通を担ってきた「ジプニー」に終焉(しゅうえん)の時が近付いている。マルコス大統領は運行団体の反対で繰り返し先延ばしされてきたジプニー近代化の期限を2023年12月31日に決定した。運行団体はストやデモに踏み切り反対を表明しているが、環境問題などの観点からも旧態依然としたジプニーの近代化は避けて通れない問題との認識が高まっており、転換の波は止められそうにない。

爆弾テロに比厳戒 大学でのミサ標的 ISが犯行声明 軍事作戦の報復か

フィリピン南部ミンダナオ島の大学で爆弾テロがあり4人が死亡し50人が負傷する惨事となった。爆弾は学生が参加するミサの会場で爆発しており、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出していることから、カトリック教徒を狙った犯行の可能性が高い。マルコス大統領は「外国人テロリスト」による犯行と断定し、強く非難。治安当局は各地で警戒を強化するなどの対応に追われた。

日比「黄金時代」に期待 岸田氏 海洋秩序安定化を強調

11月3日にフィリピンを訪問した岸田文雄首相はマルコス大統領と会談し、南シナ海で軍事的行動を強める中国を念頭に、フィリピンとの連携強化を図るための政府安全保障能力協力支援(OSA)や部隊間協力円滑化協定(RAA)などについて話し合った。また日本の首相としては初めて下院で演説を行い、両国関係の重要性や中国の海洋進出を念頭にした連携の必要性を強調した。

ハマス襲撃で在留労働者犠牲 フィリピン政府 内憂外患で苦慮

パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃に、現地のフィリピン人労働者も巻き込まれ、これまでに4人の死亡が確認された。イスラエルでは約3万人のフィリピン人労働者が滞在していると推定されており、比政府は国民の保護や帰国に向けた準備を急いでいる

南シナ海 怒れる比 中国が浮遊障壁物設置

フィリピンと中国が領有権を主張する南シナ海で、中国がフィリピン船舶の侵入を妨害するため浮遊障壁を設置したことから緊張が高まっている。あからさまな締め出し行為に対してフィリピンは強く反発。さらに中国の仕業と見られるサンゴ礁の大量破壊も確認されるなど、フィリピン政府は法的措置も辞さない構えを示している。

中国海警局 比艦船に放水 南シナ海に新たな火種 座礁船撤去巡り食い違い

フィリピンと中国が領有権を主張する南シナ海で、中国海警局の船がフィリピン艦船に放水を行いフィリピン政府が強く抗議した。放水を受けた船は、フィリピン国軍の前哨基地となっている座礁船に補給に行く途中だった。中国はフィリピン政府と座礁船の撤去で合意したと主張し実行を求めたが、マルコス大統領は協定の存在を否定している。世論調査で79%が中国が「最大の脅威」と認識するなどフィリピン国民の反中意識も強まっている。

強い台風で大雨、27人死亡 フィリピン モンスーン活発化で被害拡大 船舶の遭難相次ぐ

フィリピンの東の海上で発生した台風5号(フィリピン名エガイ)は、同国の広い範囲に甚大な被害をもたらした。直接的な被害で27人が死亡したほか、台風が圏外に去った後も季節風による悪天候が続き、客船が沈没するなど被害が拡大した。全国各地の自治体が災害事態宣言を相次いで発令するなど、深刻な被害が浮き彫りとなっており、政府が支援活動を急いでいる。

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